目黒の学芸大学駅近くでチネイザン(気内臓療法)をしているホリスティックナースのあれやこれや
ルルドでは、もうひとつの楽しみがあった。
それは、この時期に行われるというろうそく行列(Processions Mariale)に参加すること。聖母マリアの出現シーンを各国の代表者が読み上げ、賛美の合唱が繰り返されるという。
4月初旬から10月下旬に行われるというこの行列には、車いすの人や、ベッドに横になった人も参加するという。
私達は、少し早目の夕ご飯を食べに街をぶらついた。
フランスには、黒人の人たちも多くいたりして、ケバブ屋さんも目立つ。労働者の人たちにとっては、リーズナブルなケバブは、人気なのだろう。
私達が食べている間、同じ仲間らしきお客がひっきりなしにやってきていた。
そして、かなりの防寒対策をして、ルルド製のポンチョも購入して、聖域へと向かった。
この日は、悲しいかな雨だった。
昼間は長袖一枚くらいの過ごしやすい気温でも、夜には、冷えてくるルルド。
そこへ冷たい雨。
私は、またびびった。
寒い雨の中、1時間も歩いていたら風邪をひかないかなと。
しかし、車いすの人達がかなりたくさん集まってきていた。
その情熱というか、熱意にややぐっとなってくる。
何やら国ごとにプラカードをもって、並ぶのだけれど、なぜか私達はイタリア人にまぎれて
並んでみた。
おみやげやさんで、買ったろうそくを持って。
「アヴェ・マリアなんとか~」と讃美歌を歌いながら、歩く。
歩く。歩く。
マリア様も歩く。
ゆっくりと、それぞれが何か祈りをこめて歩いているのだろう。
私は、日本でルルドに行きたかったという利用者さんを想い、そしてクリスチャンの友達を想いながら歩いていた。
10分ほどしただろうか、かなり降っていた雨がやんだ。
雨の後には、すがすがしい夜空となり、浄化の雨のように感じた。
一巡して、礼拝堂の前に立つと、司祭様が何かいいはじめ、どうやら終わりの祈りの言葉を伝えると、みんなが、フランス式の挨拶で、ほっぺにキスをしたり、喜びを現わしているのが分かる。
言葉が分からなくとも、言葉をこえて、ただ一つ、共に祈るということ。
祈り、賛美歌を歌う。
そんな夜は優しくて、幻想的で、厳かな気持ちになった。
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