「その昔、ふつうの人々にとって旅とはいつも巡礼だった。旅の前提となる経済力もなかったし、だいいち自由に土地をはなれたり他郷を通行する権利すらなかった。そんな時代にも、人々のたったひとつの旅の可能性が巡礼だった。
巡礼者の道程はこの世の道程ではなくて、この世と聖なる世とをつなぐものだったから、公私にわたるさまざまな特権のシステムが少しずつ作られていった。
巡礼の旅は祈願であったり贖罪であったり浄化であったりしたが、いつもひとつのことが期待されていた。
『変化すること』だ。すべての旅は、だから、いつもどこかで自己変革の夢を追っている」
~奇跡の泉ルルドへ/竹下 節子~
フランス国際空港のビビットカラーのトイレにて
フランスまでは、羽田空港からエールフランスを利用した。
エールフランスの酸素マスクの案内など、必ずみなくてはならない機内安全映像が、キュートでおしゃれに仕上がっていて、さすがと想った。つい、見たくなるようなものを提供するというスタンスに!
機内食も、シャンパン飲んだりできて、気分はパリジェンヌ?
しかし、12時間の飛行機の中でじっとしているのは大変なもの。ようやくたどり着いて、また国内線のオルリー空港へと移動する。
オルリー空港の方が、華やかな印象を受けたし、PAULのパン屋も、RADULEもあった。
銀座三越にしかないイメージなので、妙に嬉しい?!
日本を離れて約16時間くらいしてようやく聖地ルルド空港へ到着する。
空港からは、タクシーに乗ったけれど、当たり前にタクシーはPEUGEOTだったりする。(フランス国内では乗用車らしい)
ベンツのタクシーもあった!
良心的なLUTETIA HOTELでは、10時くらいに着いたにもかかわらず、部屋に入れてくれて、
少し休んで、いよいよルルドの泉のある聖域へと向かう。
城壁から眺めたルルドの街並み
聖域とよばれるサンクチュアリは、ホテルやお土産やさんを分け隔てた川の向こう岸にある。商業ベースから、離れたその場所は、空気が違う感じがする。
たどり着くと、たくさんの巡礼者が!
車いすで来ている人が目立つし、ナースキャップをかぶった懐かしいナース姿の人も多くみかける。
飛行機雲が、光を放つように、私達を迎えてくれたように感じる。
ルルドに灯される蝋燭は、毎年700トン以上だという。
聖母マリアと少女ベルナデッド
少女ベルナテテッドは、洞窟の中で聖母マリア様と18回ほど出会ったのだという。その中で、ルルドの泉を飲みなさいとマリア様から言われた水を、口にし、それから難病を患う人々に奇跡が訪れたということから、長年の年月を経て、ルルドが聖地として正式に認められた。
病弱なベルナデッドは、35歳で亡くなったが、亡くなって30年後に棺が開けられた時、顔も両手もほぼ完璧な状態で残っていたことから、聖女として認定された。
ベルナデットは、病床の中において
「病気を愛撫のように受け入れなければならないわ」と言い、
修道院のマザーが、「楽にしてもらえるように神様にみんなで祈ることにしましょう」と言えば、
「だめ、楽になるのはだめです。それよりも力と忍耐をもらえるようにお祈りしてください」と言ったそうだ。
ベルナデットがもし、今生きていたらこんなにも華やかになった洞窟を、ルルドをみてさぞかし驚くだろうなとふと想う。
マリア様の前には、たくさんの祈りをこめたキャンドルが・・・・
大聖堂の中にも、車いすやストレッチャーで礼拝しにくる人がいる。その人たちの、嬉しそうな笑顔をみて、泣けた。
人は自分で体が動けなくなったとしても、やはり心に愛や感謝を忘れなければ、幸福を味わうことができるのだろうと、ふとそんな瞬間を感じた。
愛と感謝の波動の強い聖域で、心地よいひと時を過ごしながら、夜が更けていく。
⑤ルルドでとうとう沐浴をする
へつづく
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